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入浴施設の衛生管理を進化させる – オゾン水で実現する快適で清潔な浴場環境

スパ施設等の大規模入浴施設や温泉施設では、衛生管理のあり方が大きく変わりつつあります。

従来の「清潔に見えること」だけでは十分ではなく、科学的根拠に基づく衛生管理と、快適な入浴環境の両立が、顧客満足度と施設評価を左右する重要な要素になっています。

特に、公衆衛生上深刻なリスクとなるレジオネラ属菌対策は、保健所対応の面からも厳格な管理が求められます。

一方で、塩素系薬剤に由来するツンとした臭いや、肌への刺激を気にする来場者の声も年々増加しており、「安全性」と「快適性」の両立は避けて通れない課題です。

こうしたニーズに応える次世代の選択肢として、強力な除菌力を持ち、残留性がなく自然に分解されるオゾン水が注目されています。

本記事では、オゾン水を活用した新しい入浴施設衛生管理のかたちについて、現場視点でわかりやすく解説します。

配管・浴槽のレジオネラ属菌対策 – オゾン水による新たなアプローチ

スパ施設や温泉施設において、レジオネラ属菌対策は施設運営の根幹に関わる重要な衛生課題です。

とくに循環式浴槽設備では、配管内部に汚れや微生物が蓄積することで、レジオネラ属菌の増殖リスクが高まるとされており、徹底した衛生管理が不可欠です。

従来は、塩素剤や過酸化水素水などによる定期的な殺菌処理が一般的でしたが、薬剤の取り扱い負担や残留成分の懸念、環境負荷といった課題も指摘されています。

そこで注目されているのが、オゾン水の持つ強力な酸化作用を活用した新たな除菌アプローチです。

オゾン水は、酸化力によってレジオネラ属菌を効果的に不活化することができ、薬剤に頼らない衛生管理手法として、より安全性と持続性の高い対策を実現します。

具体的には、断続的に循環配管へ高濃度のオゾン水を通水させる運用を取り入れることで、配管内部を継続的にクリーンな状態に保つことが可能です[1]

この運用を確実に行うためには、オゾン水生成装置にもいくつかの重要な特性が求められます。

たとえば、

・一定濃度(ppm)以上のオゾン水を安定供給できる性能

・時間経過による濃度低下や装置劣化に強い設計

・清掃や保守が容易で、現場負担を増やさない運用性

といった点が、実用上きわめて重要です。

オゾン水は生成後すぐに自然分解する性質を持つため、生成時点で十分な濃度が確保されているか、オゾン水生成装置が長期間安定しているかが、最終的な除菌効果を大きく左右します。

単にオゾン水を取り入れるだけではなく、
「適切な濃度で、確実に、継続的に」配管内部を管理できる仕組みを整えること——
これが、レジオネラ属菌検出ゼロを維持[1]するために、いま現場に求められている視点です。

[1] 厚生労働科学研究費報告書(公衆浴場レジオネラ症対策研究)「逆洗工程に電解オゾン水を併用することで、逆洗水中のレジオネラ属菌を継続的に『不検出』とすることが可能であった。」

清掃作業を効率化 – 洗剤レス・素材に優しいオゾン水洗浄

スパ施設や温泉施設では、浴場清掃が日常業務の中でも特に労力と時間を要する作業です。

特に、大浴場やプールエリアの床面・壁面・排水溝といった広範囲にわたる清掃は、複数名のスタッフによる長時間の作業が必要となり、施設運営における大きな負担となっています。

これまでの清掃方法では、

・次亜塩素酸や洗剤によるブラッシング洗浄

・強アルカリ・強酸性洗剤による頑固な汚れ落とし

が中心でしたが、これらは作業者の身体的負担が大きいだけでなく、素材の劣化や排水への影響といった副作用も懸念されてきました。

こうした課題に対し、有効な解決策となるのが高濃度オゾン水による洗浄です。

オゾン水には、強力な酸化作用によって、

・雑菌・ヌメリの分解 [2]

・カビや汚れの浮き上がり促進

といった効果が期待できるため、洗剤を使わずに汚れを除去することが可能です。

特に高圧のオゾン水を使用すれば、床面や壁面に付着した汚れやヌメリをブラッシングなしで洗い流すことも可能になり、清掃作業の時間と労力を大幅に削減できます。

また、オゾン水は使用後自然に酸素と水に分解されるため、

・強い漂白作用による床材・壁材の劣化リスクがない

・洗剤のすすぎ作業が不要

・排水処理への負荷を低減できる[3]

という副次的なメリットも得られます。

作業者は薬剤を扱う必要がないため、

・手荒れや塩素臭による健康被害リスクの低減

・ゴーグル・手袋等防護具着用の簡素化

・作業時の安全性向上

といった労働環境の改善にもつながります。

今後、スパ施設や温泉施設に求められるのは、単なる「きれいに見える清掃」ではありません。

作業者の負担を抑えながら、より高い衛生レベルを効率よく維持できる清掃体制です。

オゾン水洗浄は、その新たなスタンダードとなり得る選択肢のひとつです。

[2] バイオインテグレーション学会誌 「口腔内洗浄に NBW3 を用いた場合、5 秒で菌数 90 %減、60 秒で検出限界以下(<1 %)」

[3] 東芝テックレビュー 2004『上下水道におけるオゾン応用技術』 「下水殺菌を塩素からオゾンに置換することでトリハロメタンを低減し、放流水 COD も削減できる。」 

塩素臭を低減し、快適な浴場空間を実現

多くのスパ施設や温泉施設で、衛生管理のために使用されている塩素系薬剤。

その効果は高いものの、特有のツンとした臭いが浴場空間に漂い、「リラックスできない」「肌や喉への刺激が気になる」といった来場者の不満につながるケースも少なくありません。

こうした問題に対して、オゾン水は大きな改善効果を発揮します。

オゾンは、単に除菌効果を持つだけでなく、

・塩素と反応してトリハロメタン副産物の発生を抑制する [4]

・塩素臭の原因物質そのものを分解する [5]

といった性質があり、浴場空間全体の空気環境をクリーンに保つ助けとなります。

循環ろ過式の浴槽設備において、浴槽水処理にオゾン水を取り入れることで、

・塩素使用量を抑えながら衛生基準を維持する [6]

・塩素臭を低減し、無臭に近い爽やかな湯環境を作り出す

といった効果が期待できます。

これは単に快適性の向上にとどまらず、

・小さな子どもや高齢者にも優しい入浴環境の提供

・スパ施設やリゾート施設で求められる「非日常空間」の演出

・他施設との差別化ポイントとしての優位性

といった観点からも、大きな競争力になります。

たとえば、施設内に「塩素臭を感じない、自然な湯の香り」を演出できれば、来場者に与えるリラックス効果は格段に高まり、満足度やリピート率の向上にもつながるでしょう。

衛生管理を妥協することなく、快適な浴場空間を実現するために
オゾン水は、入浴施設に求められる新しいスタンダードとなるでしょう。

[4] De Vera et al., 2015, Water Research 「オゾン処理により総トリハロメタン生成量が 24–37 % 減少した (Although ozonation led to a 24-37% decrease in formation of total trihalomethanes)。」

[5] 東京都水道局『オゾン処理』解説ページ 「オゾン処理+生物活性炭処理は、嫌なにおいの元となる有機物やかび臭物質、アンモニア態窒素(塩素と反応してカルキ臭を生む物質)の除去に大きな効果 がある。」 

[6] 日立評論 2014 「高濃度オゾン水生成システムによる食品・飲料工場向けソリューション」 「飲料 CIP とカット野菜洗浄ラインにおいて 塩素レス殺菌 を実証。オゾン水導入で洗浄時間短縮とユーティリティ削減を確認。」

安全性を高め、運営効率を最適化する – オゾン水導入の意義

入浴施設やスパ施設において、衛生管理は科学的根拠に基づき、衛生状態を安定して維持するための不可欠な取り組みです。

単なるコスト削減や作業効率化が目的ではなく、施設を利用するすべての人の安全を確保し、衛生リスクを最小限に抑えることが、その本質にあります。

この本来の目的を確実に果たすために、どのような手段を選択するかが問われる時代になっています。

従来の薬剤による管理は、一定の効果を持つ一方で、

・薬剤残留による肌や健康への懸念

・薬剤管理の手間と在庫コスト

・塩素臭などによる快適性の低下

といった課題を抱えていました。

こうした課題に対し、オゾン水は有効な代替手段を提供します。

オゾン水は、使用後に自然分解して酸素と水に戻るため、

・入浴者の肌に薬剤成分が残るリスクがない

・塩素臭を抑え、快適な浴場環境を維持できる

・排水への環境負荷が少ない

といった、安全性に優れた特性を持っています。

さらに、オゾン水生成システムを導入すれば、水道水と電源のみで衛生管理が可能となり、薬剤購入・管理・保管といった運用負担を大きく軽減できます。

これにより、衛生水準を確実に維持しながら、結果として運営効率も高まるという効果が期待できるのです。

たとえば、薬剤購入にかかる年間コストを、オゾン水システムの運用費へ一部転換するだけで、

・衛生管理の信頼性向上

・従業員の作業負担軽減

・顧客満足度の向上

といった多面的なメリットを得ることが可能です。

衛生管理を“数値で維持する”時代へ – オゾン水生成器選びのポイント

これからの入浴施設に求められる衛生管理は、単なる「きれいに見える」状態ではありません。

科学的に測定・管理され、再現性をもって衛生水準が維持されていることが、新たな標準となりつつあります。

とりわけ、オゾン水を衛生管理に活用する場合は、

「オゾン水を使っている」こと自体ではなく、
どの濃度のオゾン水を、どの工程に、どのくらい使用しているか

を数値で把握・記録できる仕組みが不可欠となります。

なぜなら、オゾンは非常に不安定な性質を持ち、生成直後から自然分解が進み、時間の経過や使用環境によって濃度が変動してしまうためです。

適切な衛生レベルを常に維持するには、

・生成中のオゾン水濃度をリアルタイムで把握できること

・装置の性能劣化を早期に検知し、適切にメンテナンスできること

が重要な要件となります。

もし生成中のオゾン水濃度が確認できず、知らないうちに濃度低下が起きていたとすれば、
「除菌しているつもりでも、効果が足りていない」というリスクが生じかねません。

このため、衛生管理体制の中核を担うオゾン水生成システムには、以下のような機能・特性が求められます。

・生成中のオゾン水濃度をリアルタイムでモニタリング・表示できること

・電極のスケール堆積などによる性能低下を自動検知・自動クリーニングできる設計

・定期的なメンテナンスや部品交換を通じ、長期間安定運用できるサポート体制が整っていること

これらの条件を満たすことで、オゾン水を用いた衛生管理が
「感覚」ではなく「数値で維持する」管理体制に進化します。

衛生管理は、やっている「つもり」では意味がありません。

数値をもって衛生状態を保証できることが、これからの施設運営の信頼を支える基盤となるのです。

システム選びにおいては、単なる導入コストやスペック表の比較だけでなく、「衛生水準をどれだけ確実に維持できるか」という視点を持つことが何より重要です。

オゾン水で実現する新しい衛生管理

衛生管理は、感覚に頼るものではありません。

科学的な根拠に基づき、数値で衛生水準を管理し、来場者に安心と快適さを提供できる施設運営こそ、これからの時代に求められる基準です。

オゾン水を活用した衛生管理は、

・衛生状態の安定維持

・作業負担の軽減

・顧客満足度の向上

を同時に実現できる、現実的かつ持続可能な選択肢です。

そして、その可能性を確実に現場で活かすためには、生成中のオゾン水濃度をリアルタイムで把握・維持できる信頼性の高いシステムが不可欠です。

MOSTEKが提案する「オゾン水生成器 FLOWシリーズ」は、

・生成中のオゾン水濃度をリアルタイムでモニタリング・表示

・スケール堆積を防ぐ自動クリーニング機能を搭載

・年1回の契約更新時にオゾン水生成電極ユニットを交換

といった特長により、安定した高濃度オゾン水の供給を長期間サポートします。

感覚ではなく、数値で維持する。
見た目だけでなく、根拠を持って安心を提供する。
そんな次世代型の衛生管理体制を、FLOWシリーズとともに築いてみませんか。

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MOSTEKは、その実現をサポートします。